第134章 何度でも
「何だろう……、眠い……とはちょっと違う、けど、気を抜いたら意識が遠退きそうで、」
「連日の疲れが出ているんだよ。
今日は休んだ方がいい。」
「でも、エルヴィン」
「問題ない。
調査から帰ったら、この分を取り返すくらい濃厚に抱かせてもらうから。」
冗談めかした言い回しをしたつもりだったが、凛の表情は緩まず、ただただ申し訳なさそうな顔が目に映る。
「……凛の気持ちはありがたいが、今の状態の君を抱けるほど、俺は性欲に塗れて生きている訳じゃないよ。」
「そう思ったわけじゃない、けど……明日調査なのに。」
「大丈夫。君を抱きしめて眠るだけで、十分な休息がとれるし、活力も湧いてくる。
本当に気にしないでいい。
それより君に今無理をさせる方が、調査に身が入らなくなりそうだ。」
凛の隣で横になり、軽く布団を掛けてからそっと抱き寄せる。
さっきより火照った感じはなくなったようだが、まだ脱力感は否めない。
これは本当に疲れているから、というだけなのか……?
僅かな胸騒ぎを覚えつつ、凛の瞼をそっと撫でる。
「……エルヴィン、それしたら、眠くなる……」
「いいよ。取り敢えず、一旦寝てくれ。
明日君が早く起きるようなら、構わず抱かせてもらうから。」
「……ん、……そうする。」
やっと少し緩んだ凛の頬にキスを落とす。
既に凛は眠りに就いたようで、小さな呼吸音に耳を澄ませながら、自分も瞼を閉じた。