第134章 何度でも
エルヴィンはとろんとした表情を浮かべる凛の頬を撫でる。
かなり独占欲を強調した言葉が口を突いて出てしまったが、抵抗が一気に弱まったことからして、嫌な気分になった訳ではないだろう。
それに、今リヴァイに気持ちが傾いていたとしても、こうしてキスで繋ぎ止めることが出来ているような気分に浸れるのは悪くない。
だが、最近誰かしらに揺らいでいる凛ばかりを見ているから、そろそろ自分にも揺らいで欲しいくらいだ。
そんな感情も、心の奥にはいつもあった。
「君は独占欲も強いが、独占されるのも好きだね。」
「……エルヴィンたちに出会うまでは、どっちの欲も皆無だったのに。」
「そうか。俺たちが君の欲を引き出せたんだな」
「それっていいことなの……?」
「いいことだろう。
少なくとも俺は、君がそう思ってくれてることについて嬉しく感じているよ?」
「それならいいのかな……」
もう考えることすらも、放棄しつつあるのだろう。
それくらい、既に快感を求めたい気持ちが凛の中を支配しているような、うっとりとした顔つきになっていた。