• テキストサイズ

君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第133章 口にしたいのは同じ言葉



「ちょっと想像はつくけど。」


「………なに?」

「調査前だからね。兵長も言いたくなったのかなぁ、と。」


「……いや、ちょっと何のことか、」

「凛、」


顎元を掴まれ、無理矢理視線を合わせられる。

真剣な瞳に見入られ、身体は動き方を忘れたかのようにその場に留まった。



「……凛。愛してる。」


胸の奥が熱くなったのと同時に、その熱さをも上回るくらいの熱っぽい唇が、自分の唇とそっと重なる。


啄むような穏やかで優しいキスを何度も繰り返した後、自然と瞑っていた瞼を開いた時には、モブリットの柔らかい笑顔が瞳を占拠した。



「俺も何度でも言いたい。
言って何かが変わる訳じゃなくても、口に出さずにはいられなくなるんだ。」


熱い体温に包まれ、それを受け入れる様にそっと背中に手を回す。



「リヴァイ兵長にも言われたんだろう?」

「……そんなこと、さっきの私の様子だけで分かるものなの?」

「今日、凛の様子がちょっと変だったからね。
兵長と接する時、どこかぎこちなかったし。」

「よく見てるね……」

「凛が側に居る時は、自然と凛のこと目で追ってるから。
それくらいなら案外簡単に気付けるよ。」


それは団長も兵長も同じだろうけど、そう付け加えたモブリットは、ますます強く私の腰を引き寄せた。

/ 1588ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp