第133章 口にしたいのは同じ言葉
「確かにね。
でも、それを聞いたことで、何か分かるかも知れないだろう?」
「……いや、でも昨日は眠くなったから。
やっぱり日による、としか……」
「兵長とした後は、そのまま眠ったってこと?」
そう問われてすぐ、昨日微睡の中でリヴァイが不意に落とした言葉が頭を過る。
“凛、愛してる”
リヴァイに言われるとは、全く思っていなかった言葉だった。
もしそれくらいの感情を抱いてくれていたとしても、リヴァイが言葉にすることはまずないだろうと思っていた。
だからこそ、あんな言葉を突然送られて、気が動転しない訳がないし、心が揺らがない筈がない。
今日だって仕事中でもリヴァイと顔を合わせるのが恥ずかしくなったくらいだ。
それくらい、あの言葉には力も魅力も備わっていた。
「……兵長と何かあった?」
「な、何もない、」
問われてから、余計な間が開いたからだろう。
モブリットの不思議そうな表情を目にし、すかさず返答をする。
だが、若干声が上擦ってしまい、何かを察したようなモブリットの視線を感じた。
「相変わらず嘘が吐けないね、凛は。」
……このまま目を合わせていたら、全て見抜かれそうだ。
疑うような視線を浴びるより前に、モブリットから目を反らした。