第133章 口にしたいのは同じ言葉
「……凛、今日は眠くならないの?」
モブリットの落ち着いた声が、そっと鼓膜に届く。
情事を終え、モブリットにベッドまで運んでもらい、まだ自由の利かない身体をベッドに委ねていた。
「まだ眠くならない。
いっぱい興奮したからかな?」
「たくさん興奮したら眠くならない、とかあるの?」
「うーん、……分かんない。」
脳味噌もまだちゃんと働いてはくれない。
曖昧な答えしか導き出せず、疑問符を浮かべたままのモブリットの頬をそっと撫でた。
「どうなんだろうね……日によるのかな……」
「昨日は?」
「……リヴァイと過ごした後はどうだったか、ってこと?」
「ああ。」
「それ聞いて、モブリットってモヤモヤしないの?」
「……モヤモヤはするかもしれないけど、聞きたい気持ちもある。」
「モブリットだって、自分からやきもち妬きたがるところ、あると思うよ?」
いつだったかモブリットに言われた言葉をそのまま返すと、モブリットは小さく吹き出した。