第131章 心の帯を緩めて
「……何してるの?」
「モブリットの寝顔やら身体やら観察してたら、どうしても触りたくなって。」
正直にこの衝動の意味を暴露すると、モブリットは小さく吹き出す。
相変わらず可愛い顔で笑うなぁ、と思いつつも、ボタンを外す手は止めない。
「俺も凛に触りたいんだけど。」
「それなら、順番ね。
まずは私がいっぱい触りたいから。」
「……俺はその間どうすればいい?」
「何もしないでいいよ。
私が楽しんでるの、観察してくれていいから。」
また一段と緩んだ表情に見入られながら、ボタンを全て外し終え、脱ぎ取ったシャツを机の上に置いた。
モブリットと触り合いをすれば、必然的に自然な様子で私が一方的に攻められることになるだろう。
それがいつものパターンだ。
だから今日は私もモブリットの身体を堪能したい。
至近距離で厚い胸板を見つめながら、ゆっくり指先を滑らせた。
「前より硬くなってる。
最近訓練厳しいから?」
「ああ。
調査に向けて、身体絞ってるから。」
「やっぱり立体機動装置って、体重は軽い方がいいの?」
「そういう訳でもないけど、小回りを利かすなら小さくて軽い方が有利だろうね。
まぁ軽すぎてもダメだけど。」
「……私の運動神経が、せめて人並みあればなぁ……」
思わずそう呟くと、フッと息を漏らしたモブリットの手が、優しく髪を撫でた。