第131章 心の帯を緩めて
隈無く観察し始めて、3分も経たないうちに、モブリットの瞼はゆっくり開かれた。
「……ん、……凛?」
「おはよう。もっと寝てくれて良かったのに。」
本音を溢してすぐ、モブリットは勢いよく顔を上げた。
「い、今何時?!」
「まだ8時過ぎだよ。」
「朝!?」
「まさか。夜の8時過ぎ。」
「…………良かった。」
深い安堵のため息が、肩を掠める。
起きてすぐに時間を気にするところがモブリットらしい。
もし朝だと答えていたら、どんな狼狽え方をしたのだろう。
そんなことを考えていると、顔がにやけそうになる。
「凛、いつから居たの?待たせたかな……?」
「うーん、3分前くらい?
だから本当にもっと寝てくれていいよ?」
「凛が来てくれてるのに、眠れる訳ないだろう。」
そう言われてすぐ、不意にさっきまでの衝動が込み上げて来て、モブリットのシャツのボタンに手を掛けた。