第131章 心の帯を緩めて
「モブリット、よく気付いたね……」
「いや……気付いたというより、何か嫌な予感がした、と言うか……」
ため息交じりで頭を掻くモブリットに、そっと手を伸ばす。
触りやすいようにしてくれているのか、少し屈んだモブリットの頭を撫でてみると、嬉しそうな顔が目に飛び込んできて、自然と胸の奥がきゅっと締まる。
ハンジの言う通り、このままここでいちゃつきたい気分になりそうだ。
だけど、さすがにそこまでの不謹慎さは持ち合わせていない。
「続きは今夜、ってことで。」
「……ん。なるべく早く終わらせるようにするから。」
「無理しないでね?」
「ありがとう。」
そっと頬に唇の感触が伝わり、それに答えるように、同じ行為を返した。