第131章 心の帯を緩めて
その時、
「分隊長、大丈夫ですか?準備できてますか?」
モブリットの声がドアから聞こえ、ハンジはすかさずドアを開ける。
「これから訓練ですよね?書類手伝うので、」
モブリットはそこまで言いかけ、凛の存在に気付いて言葉を止めた。
「モブリット、ありがとう。
実は凛も手伝ってくれるみたいで!」
「なるほど。
凛、こんなことにまで巻き込んでしまってすまない……」
モブリットに頭を下げられ、いえいえ、と軽くお辞儀を返す。
「じゃ!後は頼むよ、モブリット!」
「これ、さすがに全部は無理ですからね!
訓練後は覚悟しといて下さいよ!!」
颯爽と部屋から出て行くハンジに、モブリットは叫ぶように声を掛けると、ハンジはニヤっと笑ってすぐ、ドアを閉めた。
「モブリットも大変だね。」
「調査前に関わらず、毎度のことだからね。
もう慣れたよ。」
小さく息を漏らすモブリットは、私の隣まで歩み寄り、暖かい掌がすぐに頬を包んだ。