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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第128章 千丈の堤も蟻の穴より崩れる




「拳銃なんて久しぶりに使ったじゃねぇか……」


声の主は直ぐに分かった。


声のする頭上近くに視線を向けると、
小さな天窓から影が落ちて来た。



「その割には、
なかなかいい命中率だな、リヴァイ。」


「本当に、お前も舐められたもんだな。
周辺も話にならないような雑魚しか
いなかった。」


横に並んだリヴァイの身体が、
自分の身体に密着する。



「……怖い思いをさせて悪かった。」


耳元で囁かれてすぐ、
腕を拘束していたロープは切り落とされ、
気の抜けたため息と共に、
リヴァイの服の裾を咄嗟に掴んだ。



「凛、怪我は?」

「大丈夫…何もされてない、です……」


もう一人の男を縛り終え、
駆け寄ってきたエルヴィンに
顔を覗き込まれる。



「……すまない。
君をこんな目に合わせてしまって。」

「いえ……団長が謝ることでは、」

そう言いかけて、
エルヴィンの身体が全身を包み込んだ。




「……エルヴィン、団長?」


リヴァイに足を打ち抜かれたようで、
地面で悶絶している男の視線は、
こちらを向いている。

エルヴィンが私を抱きしめている場面を、
この男に見せるべきではない。


エルヴィンを引き離そうと、胸元を強く押すが、
ピクリとも身体は揺らがず、一旦手を降ろした。

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