第127章 動揺の日
「だけど、それが本当だったら
問題じゃねぇか?
団長と兵長が凛を好きだなんて、
あの二人に過剰な憧れを抱いてる奴らが
知ったら……」
「それでも、あの幸せそうな二人の顔を見たら、
何にも言えなくなるんじゃない?
それくらい、
凛さんは愛されてる感じがしたけど。」
「……確かにそれはあるかもな……」
思わずニファの意見に賛同してしまい、
ゲルガーの驚愕した視線が突き刺さった。
「お前、モブリットさん応援してたんじゃねぇのかよ!」
「勿論副官と凛が
このまま上手くいけばと思ってるけど、
それが団長と兵長の気持ちを
邪魔していい理由にはならないだろ。」
それもそうだけど……と、
肩を落とすゲルガーを見ていると、
さすがに可哀想にもなってくる。
「ゲルガー、
ライバルが多すぎるから大変だね。」
「……誰にも勝てる気しねぇし、
ライバルなんて立場にも
立てる気がしねぇよ……」
「それは分からないよ。
凛さんは、
肩書で人を見るような女性じゃないから。」
「だからってそんな大物たちと
張り合いたくねぇよ!」
「その意見には同感だな。」
慰める意味も込めて、
ゲルガーの肩を軽く叩いた。