第12章 ●悪趣味の悩み
「そうか。それなら続きは無理だ。」
「……え?」
予想だにしない発言に、拍子抜けした声が出た。
「君が声を出さずに
最後まですることなんて無理だろう?」
「う……」
返答に困り、思わず口籠る。
確かにその通りかもしれないけど、
さっきのエルヴィンの行為は、
明らかに故意に声を出させようと
しているようにしか思えなかった。
でも、それをエルヴィンに訴えたところで、
「俺はいつも通りだ。」
とかなんとか言われて、
きっとまた激しい快感を促され、
声を我慢できなくなるに決まってる。
エルヴィンが何で私の喘ぎ声を
漏らさせようとしているのかは分からないけど、
ここでエルヴィンの思惑通りに
自分が動くのは納得いかない。