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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第119章 相談相手は恋敵



「すみません……
団長の方が、絶対心苦しい思いを
していると思うんですが……」

「二人がキスしているところでも見たのか?」


どもる声に被せて発言すると、
モブリットは顔を手で覆い、小さく頷いた。



「なるほど。それで君は?」

「すぐにその場から離れました。
さすがに見ていられなかったので……」

「それもそうだな……」


よくよく考えてみれば、
情事中の声は聞いていても、
唇を重ねる場面を見たことはない。

だが、見ていられない程の
焦燥感に駆られる気持ちは想像に易しい。




「君も、今の凛との関係が
どういうものか理解はしているんだろうが、
心の奥底では認められないし、
認めたくないんだろう。」

俺も同じだよ、と呟くと、
モブリットの顔は、やっと少し上がってくる。



「こっちはこれだけ凛を想ってる。
それなのに彼女は他の男とも
関係を持っているなんて、
悶々とした気持ちが湧き出すのは当たり前だ。」


「……ですが、
団長はかなり冷静ですよね……?」

「ああ……まぁ、言い方は悪いが、
ただの“慣れ”だな。」


「……慣れ、ですか?」

「凛の世界にタイムスリップした時から、
この状況は続いている。
言ってみれば、
この妙で厄介な関係は最初からだ。」

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