第119章 相談相手は恋敵
「ああ……なるほど。そういうことか。」
「……これで分かって頂けるとは……
さすが団長としか言えないです……」
項垂れているモブリットを垣間見ながら、
リヴァイの部屋がある方に視線を向けた。
「困る……というか、悶々とすることはある。」
「……そう、ですよね……」
「だが、それはこっちも同じだろうから。
リヴァイを言い上げる訳にもいかないし、
凛を責める訳にもいかないからね……」
モブリットの頭は上がる気配が感じられない。
まさかこんなことを聞かれるとは。
確かにリヴァイが隣の部屋のせいで、
何度も凛との情事中の声を聞かされ、
苛立ったことも悶々としたこともある。
……もしかしたら、モブリットは
何か目撃したのかも知れないな。
素直に気の毒に思いつつ、話を進めた。
「まぁ、妬いたついでに
凛を乱暴に抱いたことくらいならあるが。」
「……乱暴に、ですか……」
「モブリット。
そんな衝撃的な現場に居合わせたのか?」
着々と声の音量が小さくなっていく
モブリットの顔を覗き込むと、
聞いたこともないような
大きなため息が部屋に漂った。