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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第115章 熱のせい






エルヴィンが目覚めた時には、
既に辺りは薄暗い闇に包まれかけていた。


……一体何時間寝たんだ……?


上半身を起こすと同時に、
額からタオルが落ちる。

まだほんのり冷えたタオルを手に取り、
ふと視線を落とすと、
ベッドに突っ伏して寝息を立てている凛が
目に入った。




「……本当にずっと側に居てくれたのか。」


そっと髪を撫でてみると、
凛の瞼は直ぐに開かれた。



「エルヴィン、目覚めたんだね……」


「ああ。君が居てくれたお蔭で、
身体が楽になった気がする。」


正直に言ったつもりだが、
凛は疑い深い目を向けつつ、
俺の額に手を当てた。



「ほんとだ。かなり下がったね。
まだ微熱はあるけど。」


「凛は額を触るだけで体温が分かるのか?」


「大体はね。
託児所で働いてた、って言ったでしょ?
子どもの体温当てるのも、
結構得意だったから。」



「……俺は子どもと同じだったか……」


「まぁ、眠る前のエルヴィンは
子ども並にヤキモチ妬きで
何かと難癖つけてくるキャラになってたけど。」


「……あまり覚えていないんだが。」


「そうだと思うよ。
覚えてたら、こんな普通に
私と話してないと思う。」




……俺は一体凛に何を言ってしまったんだ。



ニヤニヤと笑みを溢す凛を見ながら、
若干血の気が引く。

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