第115章 熱のせい
「熱に浮かされて色々話してくれたけど、
覚えてないんじゃ本音だったかどうかは
分からないままか……」
「俺は君が傷付くようなことは言ってないか?」
「大丈夫。」
それだけ言った凛に、静かに抱きしめられ、
思わず目を瞑る。
数時間振りでも、
この体温が懐かしく愛おしく感じ、
目を瞑ったままで凛の匂いに酔い痴れた。
「……良かった。
そんなこと心配してくれるってことは、
本当に正常に戻ったみたいだね。」
「そんなに異常なことを言っていたのか?」
「どうだろうね。」
曖昧な答え方をする凛を抱きかかえ、
そのまま布団の中へ引きずり込む。
「教えてくれないなら、
色々な聞き出し方を試みるがいいか?」
冗談めかした口調で言ったはずだが、
そのまま頬にキスを落とされ、
予想外の反応に目を丸くした。
「いいよ。熱も下がってきてるし。」
「……いいのか?」
「でも団長、
無理しない程度でお願いします。」
首筋まで滑らされた唇の感触が興奮を誘い、
間近に迫っている凛の耳元にキスをした。