第115章 熱のせい
凛はエルヴィンの胸を強く押し、抵抗する。
なだめた筈が強引に抱きしめられ、
熱を持った唇が首筋を這う。
「ちょっと!ま、待った!」
「……今のは俺を誘ったんじゃないのか?」
「そうじゃない!
だから早く治そうねっていう話!」
エルヴィンの熱すぎる体温は、
簡単にこっちの体温まで上昇させてくる。
明らかに正常ではない高熱を帯びているのに、
よくもまぁこんな簡単に欲情できるものだ。
呆れを通り越して、
感心してしまいそうになる。
「モブリットと飽きるほどした後だから、
俺とするのは面倒だと思っているのか?」
「……変なタイミングで
やきもち持ち出すのやめてよ。」
「実際そうなんだろう?
モブリットとは相性が良いのか?」
熱で頭までやられたのか?
そう思わずにはいられない程、
エルヴィンにしては珍しい発言だった。