第113章 ●抑えきれずに
「んっ…はぁっ…、」
必死で酸素を取り込もうと
荒い呼吸を繰り返すが、それでも間に合わず、
モブリットの肩に縋りついて
大きく肩で息をする。
「……立ってるの、辛くない?」
優しい声は、
身体をしっかりと支えてくれていた。
安心感からか、また全身の力が抜け落ちていく。
「……ん…や、びっくり、した……」
「…ん?」
「久し振り、に、潮吹かされた、気がする……」
自分の体液で水溜りの出来た床を垣間見ると、
思わず小声になる。
……まさか、
潮吹きまでさせられると思ってなかった。
と言うより、やっぱりモブリットの
テクニックがおかしい……
これはブランクがあるとかないとかは関係なく、
元々のセンスとか技術とかの問題だ。
「普段はベッドでしてるからね……
凛、ベッド濡らしたら、
罪悪感湧くと思って。」
「……いや…、そうだね。そうだろうけど……
でも、立ったままで、指だけなのに……」
「気持ち良かった?」
「……うん。」
正直に返事をすると、強く抱きしめられ、
「それなら良かった」と呟く声が
耳元を穏やかに刺激した。