第112章 目覚めた先の嘘
「……ごめん。二人の会話面白くて。」
「凛、おはよう。」
「おはよう。
ジャン、結構早く起きたんだね。」
「ああ。これならまだ余裕だな……」
「うん。早いとこ帰ろう!」
二人の会話を聞きながら、
そう言えば今の時間すら
知らなかったことに気付く。
「今何時?」
「まだ朝の5時。」
「……いや、かなり寝てただろ……」
「ぐでんぐでんだった割には、
早く起きた方だと思うよ。
頭痛いとか身体痛いとかない?大丈夫?」
「頭はちょっと……
でも、耐えれない程ではないし、
今日も休暇だから大丈夫。」
「そう。なら良かった……」
安堵した声を漏らす凛が
ベッドから抜け出そうとした瞬間、
凛はモブリットさんに肩を押され、
再びベッドへ戻された。
「凛。忘れてるだろ?」
「……あ。そうでした。」
「何の話ですか?」
「多分これ言ったら、ますますモブリットが
聖人君主に思えてくるよ?」
「……どういうこと?」
「ちょっと服着るから、後ろ向いててね。」
凛のその一言で全身が一気に火照るのを感じ、
同時に素早く後ろを向く。