第112章 目覚めた先の嘘
「何で凛、服着てねぇんだよ……!」
「酷い雨だったから濡れたんだ。
濡れた服のままだと風邪引いても困るだろう?」
「良かった。服ちゃんと乾いてる。」
衣擦れの音を聞きながら、
混乱する頭を抱える。
……いやいやいや、
この会話は明らかにおかしいだろ!
この二人、絶対俺が寝てる間に
楽しんでるじゃねぇか……!!
「ジャン、本当に起きてなかったんだ。」
「……それ!
それ確認するってことは、
やっぱり俺が寝てる間に」
「そろそろ行こう。」
「待った!話終わってないですからね!!」
「いいよ、続きはまた次回
三人でデートするときに聞くから。
悪いけどこっちは切羽詰まってるんだよね。」
「いや、三人でデートすることが
既に決定してるのも納得いかないけど、
切羽詰まってるって」
「ジャン。大丈夫。
君の宿泊許可はとってあるし、
教官にも上手く話しは伝わってるだろうから
安心して。」
「いや!今それはどうでもいいんですけど!!」
声を上げて発言するが、
にこやかに悉くかわされ、
引きずられるようにして部屋を出た。