第111章 言いたいことは同じこと
「「んっ…、」」
凛の漏れ出した吐息と、
ジャンの寝息に近い呼吸が重なる。
「……び、びっくりした……」
唇を離してすぐ、凛は後ろを振り返り、
ジャンの様子をじっと見つめる。
「……ちょっとジャンのこと、
蔑ろにしすぎだったね……」
凛に夢中になりすぎて、ジャンの存在を
完全に無視していたことに気付いた。
「さすがにこれ以上は止めよう……」
「え、ここまでしておいて?」
「……本当に起きたらマズイだろ?」
「まさかの生殺し……」
「それは俺も一緒だからね?」
凛の冗談めかした発言に乗っかると、
凛の頬はそっと緩んだ。