第111章 言いたいことは同じこと
「でも、1人でするのと女の子とするのじゃ、
気持ち良さの種類が全然違うんでしょ?」
凛は男しか知りえないような情報を、
容易く口にするから驚かずにはいられない。
「……そんなこと、誰が言ってたの?」
「……前いた世界で関係があった男性全般。」
「………なるほど。まぁ、種類は違うね。」
「なのに一人でしないのは平気なの?」
「平気。凛を抱く方が、
比べ物にならないくらい気持ち良いから。」
自分にしては珍しく、サラッと言ってみせると、
凛は目を丸くして早々に、顔を手で覆った。
「凛との行為を知ったら、
もう自分で抜くのがバカらしくなる。」
「……そんなに気持ち良い?」
「ああ。自分でもあまり性欲はない方だと
思ってたけど、凛となら毎日でも、
一晩中でも、毎食後でもできそうなくらいに。」
ふふっ、と小さく笑う声が、
覆われた凛の手の隙間から零れ落ちる。
「モブリットがそういうこと言うの、
なんかいいね。」
指の隙間から見えた凛の頬は、
思った通り少し紅潮していて、
その様子は興奮を煽って来る。
「……そのくらい気持ち良いし、
心も身体も満たされるよ。」
正直に暴露してすぐ、
凛の手を取り、唇を重ねた。