第110章 ●経験差
「モブリット。一回出していい?」
「……凛、俺のモノを
自分のモノのように言うよね。」
「ふふっ、確かに。」
凛のくぐもった笑い声が聞こえてから、
少しの間も置かず、
陰茎は再び生温い体温に包まれた。
「っ…はぁっ…、」
必死で声を押し殺す。
自分がこんなに口淫に弱いだなんて、
凛と出会わなければ
一生知らないままだっただろう。
激しく、深く、唇で締め付けられた陰茎は、
すぐに快感を発散したがる。
もっとこの快感を
ゆっくり堪能したいと思っても、
自分の意思は完全に無視され、
膨らみきったものは
早々に溜まった液体を放出する。
白濁した流動体は、
いつものように凛の喉元を鳴らした。
「濃い。溜まってた?」
「……凛とするようになってから、
1人でもしなくなったからね。」
「え、そんなこと可能なの?!」
「……そんな驚くことでもないだろ?」
布団から顔を出した凛に、
口の前で人差し指を立てて見せると、
凛は声のトーンを一気に落とした。