第11章 確かめたい、確かめて、
「……だが、そんな君も悪くない。」
微笑んだエルヴィンの笑顔は今度こそ本物で、
その顔を見ると、釣られて頬が緩む。
「……悪くない?」
そっとエルヴィンの頬に手を当て、
ニヤリと笑いかけると
「いや、そうだな……
どちらかと言うと、かなりいい、だ。」
エルヴィンはそう言って、
凛に軽く唇を重ねた。
ゆっくり唇を離したエルヴィンは
凛の髪を優しく撫でた後、
「本当にもう大丈夫だ。
君があの男と何もなかったことは分かった。」
と、凛の腕を引き、立ち上がらせようとする。
「……もう続きはしない、ってこと?」
「なんだ。して欲しかったのか?」
すかさず問い返され、自然と視線を逸らした。