第107章 言葉の力
「モブリット。
やっぱりモブリットも服脱いで。」
「……掛け布団も一枚しかないのに?」
「一緒に入ればいいじゃん。」
かなり当たり前の様子で言ってきているが、
その状況がどういうことに繋がるか
凛だって分からない訳ではないだろう。
「モブリットが風邪引く方が困る。」
「いや、凛が」
そう言いかけて、
俺のシャツのボタンを外し始めた凛の手を
素早く阻止した。
「まっ……待った。」
「大丈夫。脱がせるの好きだから。」
「いや、それは知ってるけど、
別に俺は脱ぐのが嫌いだからって理由で
脱ぎたがらない訳じゃないからね?」
「分かった。じゃぁ私から脱ぐ。」
……分かってない!
一気に着ていたシャツを脱いだ凛を
垣間見てすぐ、瞬時に背中を向ける。
下着姿を見たら、
もう理性を抑え込める自信がない。
抱き着かれただけで
相当滾ってしまっていたのに、
これ以上刺激物は目にしたらダメだ……