第104章 独占欲
「今日くらい、
いつも俺を求めて来たらいいんだが。」
「……いつも結構、求めてる…、でしょ……?」
「お前は好意を持たれた男全員を
平等に求めるからダメなんだ。
もう少し俺を贔屓しろ。」
「ふふっ…、」
目を瞑ったまま小さく笑う凛の頬に
そっと唇を合わせると、
ゆっくり瞼は開き、
だいぶ恍惚さが失われてきた瞳が現れる。
「独占欲、すごいね。」
「当たり前だろ。俺はずっとそう思ってる。」
恍惚さが失われても尚、
凛の瞳は魅力的でしかなく、
瞬きをすることすら忘れ、
つい見入ってしまう。
瞳だけでもそれくらいの魅力を
感じているのに、
自分だけのものにしたいと思わない筈がない。