第4章 真実
やたらと開放的な情事を終えた私達は、久々に感じる気怠さにかまけて草原に寝転がっていた。
少し細くなった彼の腕枕に頬を寄せていると兵長がひとつ咳払いする。
「なあ」
『……はい?』
なんだか緊張した声音で話す兵長はいつになく真剣な顔をしていて。
何を言われるんだろう。
期待と不安が混ざったような不思議な気分で言葉の続きを待つ。
すると、返って来たのは思いも寄らぬ
“質問”だった。
「お前は……本当は何者なんだ」
その言葉の意味が理解出来なくて私は一瞬訝しげな顔になる。
しかし、良く考えてみれば彼が言わんとしている事はこの世界の人間にとって当たり前の“疑問”だ。
ついに話す時が来た。
等と仰々しいことを言うつもりは無いが改めて話すとなるとなんとなく難しい。
『たぶん……信じてもらえない、と思いますけど』
それでも聞いてくれますか?
一抹の不安に瞳を揺らして問うた。
「ああ」
兵長が返したのはたった一言。
その瞳から目を逸らすことなく、私は自分がこの世界に来た顛末を語り始めるのであった。