第4章 真実
『え……嘘、でしょ』
「まさか本当に願いが叶うとはな」
『あの……一応お伺いしますけど、兵長は一体何をお願いしたんですか……?』
「本物のレ◯コップが見たい」
『………』
「あわよくばル◯バが回転しているところも見たい」
『………』
「それからダ◯ソンの吸引力が本当に」
『兵長……あの…もう、充分です』
「そうか」
『そうか、って……よくそんなに落ち着いていられますね。結婚式まであと二週間しかないんですよ』
「まあ……“来れた”んだから、どうにかすりゃ“帰れる”だろ」
『そ、そうですよね!また星に願えば帰れますよね!』
【では次はお天気です。木◯さーん!ソ◯ジロー!】
【こんばんはー!いや〜猛烈な台風が列島を襲ってますね!今回の13号が通り過ぎてもすぐ後ろに14,15号が控えていますから……まさに異常気象です。しばらくは晴れ間を拝むことが出来ないでしょう!】
『星見えないんかいィィィ!!』
「落ち着け……どうにかなる」
『ならないですよ!どうするんですかマジで!兵団のお偉方も式に招待しちゃってるのに……!!』
「軽い失踪騒動になるだろうな」
『だから落ち着いて言ってる場合じゃないでしょ!』
「かくして遥かなる異国ニホンにトリップしてしまった俺達はどうにかして元の世界に戻り幸せな結婚式を挙げたのだが……それはまた後日語ることになる、かもしれない」
『いや上手いこと地の文っぽく締めても駄目ですからね!?本当にどうすんだこれえええ!!!』
とある時空。
とある世界。
とある場所。
“小さな島国”の片隅で絶叫する元日本人が一人。
そんな彼女を他所に念願の“日本製家電”を見た異世界人の男は目を輝かせる。
彼等が無事に元の世界に戻れたのかどうかは、別の機会に話すことがあるかもしれないし……ないかもしれない。
【Crush on you】完
貴女『誰か助けて下さあああい!』
兵長「落ち着け。取り敢えず掃除用具コーナーにレッツゴーだ」
貴女『……もういや』
最後まで読んで頂き誠にありがとうございました! 山口