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【ハイキュー!!】青息吐息の恋時雨【短編集】

第19章 まだネンネだもんね(日向翔陽)






なまえさんは、いつも髪の毛をポニーテールに結んでいます。


(なんだろ。なんだろう)


けれど、「今日はいつもと違う」と、日向くんは感じたのです。


(なまえ、なんかフインキ違う)



けれど、どうしてなのか分かりません。




(背中の広さは、いつもと同じ)


なまえさんの席は、日向くんの席の1つ前です。


(黒のほわほわも、いつもと同じ)



「じゃあこの問題を……みょうじさん」

「はい」


(そうだ。このほわほわ、シュシュって言うんだっけ。夏が最近集めてるやつ)


「アレクサンドル2世」

「はい、正解です。昨日やったとこだものね。農奴解放令を出した1861年は———」


(頭がいいのも、いつもと同じ)





「じゃあ次の問題、日向くん!」

「!? ぅハィ!」




世界史の先生が席の順に当てて行くのも、いつも通りだね、日向くん。









「えー、つまり、この金属元素と非金属元素の結合っちゅうのは———」


(なんだっけ、この、首の根元の部分)


「———陽イオンと陰イオンによる、イオン結合、というものでして、」



(スガさんが好きって言ってたところ。うなぎ……じゃなくて)



前の席のなまえさんが、黒板を見ようと頭を動かすたびに、ポニーテールがゆらりと揺れます。


(あ、”うなじ”?)



なまえさんの首は、白くて綺麗です。


けれど日向くんにとっては、首は首でしかありません。



(「首のどこがいいんですか?」って聞いたら、スガさん、「日向はまだ子供だからな〜」って言ったんだよな。あれはちょっとムカついた)


「えー、そんで、非、金属元素どうしの結合は、ですね、」


(スガさん的には、この首はどうなんだろう。やっぱ、”く〜っ!”って感じなのかな)


スガさんは、『うなじがキレーな女子って、見てて、”く〜っ!”って感じするよな!?』と言っていました。



「価電子を互いに共有して結合する、共有結合と言うんですね」


(………………)


「電子を共有することで、えー、この最外殻電子が8個になるようにですね、えー……」



(……もう考えんのやめよ)




なんだか、もやもやしてしまいました。





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