第18章 宇宙的浮遊感(岩泉一)
【おまけ】
「いやー、まさか岩ちゃんがここまで鈍感だとは思わなかったね」
電灯の下で及川がぐっと背を反らす。「あれはもう病気だろ」とポケットに手を突っ込んだ松川が呟いた。
「でもさ、なまえちゃんもなまえちゃんだよ。俺たちにこーんな気ぃ遣わせちゃって」
「どうせあいつも、無自覚なんだろーよ」
「気付いてないのは本人達だけ、ってやつか」
寄って来た羽虫を払いながら花巻が口を尖らせた。「見守ってる俺たちの身にもなってほしいよなー」
「岩泉もどうせ、なまえの世話係かなんか押し付けられてるだけだと思ってるぞ。絶対」
「ありえる。素で面倒見が良いからな」
「はやいとこ、さっさとくっついてほしいよね」
「あー、彼女欲しい」
「欲しいな」
「やめてよ、涙出てくるじゃん......」
おしまい