第2章 1話 再開のスターティングブロック!!
「…ねぇ、そう言えば知ってる?小学校の時に通ってたあのスイミングクラブ。もうすぐ取り壊しになるって。」
階段を降りながら渚が最近仕入れた情報を伝える。遙のめが驚きにそまり、昴は立ち止まった。
「だからその前に…」
最後の数段を飛び降り、渚の突拍子もないアイデアは再び素晴らしい回転をみせた。
「皆で行ってみない?」
「あれを掘り起こしに?」
「そう!夜にこっそり忍び込んで…」
「行くなら勝手に行け。」
「そんなこと言わずにさぁ!」
興味のなさそうな遙を必死に制止しながら渚は続ける。
「ハルちゃんも行こうよ!」
「行かない。」
背を向けた遙に飛びつきながら渚はまだ言い募る。
「おもしろそうだと思わないの?」
「思わない!」
崩れ落ちる渚。しかし、今度は真琴が声をかけた。
「面白そうだし行ってみようよ。」
「いやだ。めんどくさい!」
「でも行けばプールもあるよ。風呂場とかじゃなくて、もっと大きな…プール。」
「(さすが真琴。)」
このとき昴の頭の中にはさっきの赤毛の少女と誰かの関係を考えていた。