第2章 1話 再開のスターティングブロック!!
ピーヒョロヒョロと鳥が鳴く。
朝だ。
真琴は目的地までの道を歩いていた。途中の家からおばあさんが出てきたので挨拶をした。
「おはよう。田村さん。」
「おはよう。真琴ちゃん。これ、持って行きな。」
「あ!ありがとう!行ってきまーす!」
「いってらっしゃい。」
真琴は差し出された新聞紙にくるんだ何かを貰うとやや駆け足で階段を上って行った。
「にゃあ~。」
階段の途中にいた白い子猫を優しくなでる。
「おはよ。」
目的地に着いてインターホンを押すも返事はない。玄関から少し下がって二階を見上げるが、気配はない。
「…しょうがないな。」
裏口にまわりガタついた木戸を開けて中に入った。
「おじゃましまーす。」
廊下を歩き洗面所へと向かうと、籠の中に寝間着がひとそろい脱ぎ捨ててあった。
「やっぱりここか。開けるよ~。」
真琴が風呂のドアを開けるのと、遙が水の中から出てくるのとが同時だった。頭を振り水を跳ね散らすのを見届けると真琴はいつものように手を差し伸べた。
「おはよ。ハルちゃん。」
「…だからちゃん付けはやめろって。」
遙は真琴の手を取ってあがった。
「また水着きて入ったの?」
「ほっとけ。遅刻するぞ。」
「それ、おれのセリフ。」
そう言って風呂場を後にした。