ドラゴンクエストⅠ ~ i f ~ 竜王の仲間を望んだなら
第2章 信じるものとは・・・
竜王「おかしな話だとは思わないか?人間同士でも盗み、殺し合い、いがみ合う、同じ種族なのにだ」
竜王「大切な人が同じ種族に殺されて信頼が生まれるか?共感し合えるか?」
竜王「わしは人間がこの世に必要だとは思わない、こんな自分勝手で大切なのは心だとか信頼だとかほざいてるくせに
魔物を理解しようともせず根絶やしにする事になにも罪を感じない人間どもを信頼することなどできぬ!!」
勇者「・・・だが!!人間にだっていい所だってあ・・・」
竜王「まだ気づかないのか?」
竜王「貴様も人間共の犠牲者なんだぞ?」
勇者「!?・・・どういうことだ?」
竜王「考えたことなかったのか?ロトの末裔だと崇められ、全ての魔物を相手にし、それを人間共は知っていたのにも関わらず
助けようともしない何かあれば金払え、あれを持って来い、ここに行けと当たり前のように言っていたが
世界の命運を託してる者に対しての礼儀ではないだろう、普通仲間の一人や二人来てくれてもいいはずだし、
命がけで戦ってるのに無償で休ませるどころか金払えという始末」
勇者「それは・・・俺だけがロトの末裔だから・・・」
竜王「かつて勇者ロトは3人の仲間を連れて魔王ゾーマを倒した、しかしその3人は元は普通の人間だ」
勇者「!」
竜王「しかし貴様はどうだ?誰も来てくれていないようだが?」
竜王「そして貴様もロトの血が流れてるってだけで元は普通の人間なのだ」
竜王「貴様は本当は他の人生も選択できたのだ、やりたいことだってあっただろう、しかし世間はそれを許さなかった」
竜王「ただ、先祖が勇者だったからそれだけの理由で貴様の選択肢を奪い、全てを貴様一人に押し付けた」
勇者「!!」
竜王「そして貴様は周囲の期待に応えるしかなく幾つもの生死の境を乗り越えてここに来た」
竜王「だが、仮に・・・だ、仮に貴様がわしにここで殺されたとしよう、そうすると周囲の答えはこうだ」
竜王「ロトの末裔だなんて嘘だったのではないか?役立たず、期待させて結果が台無し」
竜王「そうすると、どうだ?貴様は生まれて良かったと思えるか?」
勇者「・・・・・・・・・」