第1章 【キレイな最期を】
「どうせこんな夜道じゃまた他の奴等に襲われるだろうし。家まで送って。」
アイアンハイドはしょうがなく言われた番地に向かう
「お前アメリカ人じゃないな。アジアだろ。」
女の子は黒髪に黒い瞳、背も低く年齢も幼そうだった
「日本人よ。ちなみに二十歳超えてるから」
日本人は幼く見られがちな事を知っている
「この国の成人の女はもっと大人びてるがな。」
自分の知ってる成人女性と随分外見が違うが
その可愛らしくも美人とも言える顔立ちに
まじまじとスキャンして見るアイアンハイド
「名前なんて言うの?」
「アイアンハイドだ。お前は」
「。」
と名乗った女はどこか遠くの景色を見ていた
「お前は俺が怖くないのか。」
「怖くないよ。」
その言葉になぜか寂しそうに笑って答える
表情の意味がアイアンハイドはわからなかった
「でも最後にオートボットと会えるなんてラッキー!すごい嬉しい♪」
あんな表情をしたかと思えば今度は笑顔でハンドルに
ベタッと張り付く
予想外の行動にフラッと一瞬道をはずすがすぐに立て直した
「…最後って何だ?旅行にでもここに来てんのか?」
「まぁそんなとこ」
しばらくして言われた番地に到着した
「ありがと。楽しかった^^」
そう言ってドアをしめバイバイと手を振りまた暗い路地へと歩いていった
ここは住宅街
降りてもおかしくない場所だがアイアンハイドは違和感を感じていた
気付かれぬようゆっくり着いていくと柄の悪そうなアメリカ人達には自ら話しかけていった
『あんな奴等が友達か…?』
センサーで見ていると何かを交換したようだ
はさっきみたいにバイバイ、とその人達に手を振るとまた暗い路地へと歩いていった
おかしい
あの先に家などない
アイアンハイドはゆっくり後を着いてく
そして真っ暗闇の中は携帯の明かりだけを頼りに何かをゴソゴソ用意し始めた
そしてカチャッと音をたてるとソレを頭に突きつけた
銃だ______