• テキストサイズ

《合同企画》White Xmas

第8章 〈笠〉こじぞう


「どこの地蔵さんに行くんだよ」

「山に行く道にあるとこ。……手伝ってくれるの?」

「仕方ねぇから手伝う」


の顔がパァァっと明るくなっていった。

なんでオレこいつのこと好きなんだろう。
突拍子のない行動にもつい手を貸したくなっちまう。





「で、笠どうすんだよ」

「どうしよう」


道を歩きながら考えることになった。
絶対に要領悪い方法だと思う。

オレも何か良い手はないかと考えた。

だが明らかに横から感じる視線によって遮られた。
じっとオレを見ている。


「どうした?」

「“笠松”だけに、本物の笠じゃなくてもイケそうな気がする」

「真顔で言うな」


地蔵さんの供物みてぇになるだろ。
ただの見世物になんじゃねーか!


どうにも笠を手に入れる方法が思い付かない。

向かえから人が歩いて来たのが音でわかった。
考え事してるとつい下を向きがちになる。

え……この人。
笠かぶってるぞ!

がすかさず声をかける。
笠のことを話すと、いくつかあるから一つならくれる、ということで貰えた。

の強運は依然として半端ねぇ……。
/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp