第10章 小さな〈氷〉
突然外の風が窓に当たって、ひゅーっと冷たい音が鳴った。
二人で窓に目を向けると、窓に雪がついて溶けずに……いくつか凍ってる、って言うのが一番的確な表現かな。
気になったみたいで、そのままオレを引っ張って窓まで連れていった。
「ちょっと窓開けていい?」
「いいよ」
何をするつもりだろう……。
ガラッと窓を開けて、窓についた氷を指
「綺麗だね」
「あぁ……はっきりと雪の結晶が見えるね」
「うん。……もういいや、ありがとね」
ガラッと窓を閉めて、ふとオレの視線に気付いたようでこっちを見上げてきた。
そしてふわっと微笑んで、抱きついてきた。
どんどん腕に力がこもる。
「……ちょっと痛いな」
「はっ! ごめん!」
バッと腕を離したをすぐ捕まえた。
今度はオレから抱き締める。
「まだ離れちゃダメだよ?」
「でも……痛くさせちゃったから……」
首筋に顔をうめて、音をたててキスをした。
はビクッと体を震わせる。
「今日は最後までhotな恋の時間にしようか……窓の氷が溶けるくらいに」
「な……なに言ってるのよバカァ!」
寒い寒いクリスマス。
けれどオレたちは、小さな氷も蒸発するくらいの熱い時間を過ごした。
・。・。Mary Christmas・。・。