第1章 消灯すれば〈黒〉が広がるけれど
冬は夜が来るのが早いですよね。
辺りはあっと言う間に真っ暗になった。
「あの、今からボクの部屋に来ませんか?」
「え? でも急にいいの? ご家族の方には…」
「言ってあります」
「そっか……じゃあお邪魔しようかな」
ここから遠くないので、冷たい手を繋いで歩いてきました。
家には母と祖母がいて、緊張しながら挨拶しているさんを見れました。
可愛いな、と思います。
部屋に連れてきた理由、それは…まだ秘密にしておきます。
今日のメイン、本当はここからなんです。
「実は、見てほしいものがあるんです」
「なあに?」
「電気、消しますね」
部屋は真っ暗、一見何がどこにあるのかわからない。
「わぁ真っ暗だね! テツヤ君黒く見えるよ~名字だけじゃなく今まさに黒子って感じ」
さんは暗いところ好きなのでワクワクしてます。
テーブルに"あるもの"を置いて、ライターで火を付ける。