第14章 真実
え…?
『今…何て?』
源外「…嬢ちゃんを連れてきたのは俺だ』
意味がわからない。
源外さんが私を連れて来る意味も。
私が連れて来られた意味も。
源外「嬢ちゃんは…俺の作ったタイムマシンに引っかかったのさ」
『…』
タイムマシン?
え、タイムマシンってあのタイムマシン?
時をかけちゃうアレ?
『いやいやいや、流石の源外さんでもそれは…ドラ○もんじゃあるまいし』
源外「江戸一番のからくり技師と呼ばれたこの俺にかかればタイムマシンだろーが醤油差しだろーが朝飯前よ」
『醤油差し関係ないんだよなぁ』
おっといけない。話がズレまくりだ。
『ん"ん"っ。話を戻しましょう。まず、なんで私はここに連れてこられたんですか?』
無理やり話に軌道修正をかけると、源外さんは顎に手を当てて首をひねった。
源外「連れて来られたってェのはちと語弊があるな」
『どういう事です?』
源外「巻き込まれたってのが正解だ」
『巻き込まれた?事故みたいなものですか?』
源外「ん、まぁそうさな」
源外さんは背中越しに返事をすると、小さな機械を取り出した。
源外「これが俺の作ったタイムマシンだ」
『…』
私の目の前に差し出されたそれは、まるで木の実…強いて言うならクルミの様な形状をしていた。
源外「その名も《時をかける…》」
『だぁぁぁぁ!!』
源外「んだよ嬢ちゃん。急にでかい声なんざ出しおって」
んだよ…じゃない!
なにサラッとパクろうとしてんだこのじーさん!
涙無しには語れない名作だよ?
そう簡単にパクれるような代物じゃないよ?
『…何でもないです。続けてください』
源外「…このタイムマシンは行きたい時代と今いる時代を繋ぐゲートによって行き来する。嬢ちゃんは深い穴に落ちたと言っとったな。それがこのマシンで言うところのゲートよ」