第11章 俺のターン
『ブァハハハハハハ!』
土方「えぇぇ...」
土方さんは爆笑する私を見て呆然としている。
『ブフフッ...え、何で我慢するんですかァァハハハハ!』
土方「は..?何でって...」
開いた口がふさがらない土方さん
それすらも今はおかしい。
『ククッ...私が土方さんのマヨラーっぷりを見て引く?そんなの今更ですよ。私はマヨネーズ我慢してる土方さんの方が引くって言うか…ウケます』
土方「いい性格してんじゃねーか」
爆笑し続ける私を一瞥した土方さんは深くため息をつくと、たこ焼きに懐から出したマヨネーズを惜しむことなくぶっかけた。
『そのほうが美味しいでしょ?』
土方「そーだな。お前も食うか?」
『丁重にお断りさせて頂きます』
土方「…そーかよ」
土方さんは軽く舌打ちをすると差し出したたこ焼きにかぶりついた。
それから私達は他愛もない話をし続けた。
真選組のこと。
万事屋のこと。
劇場版銀魂のこと。
それから…
私が元いた世界のこと。
土方「…それじゃあ元いた世界も俺達の世界と大して変わらねぇんだな」
『そうですね。流石にほいほい宇宙に行けるわけじゃないですが…』
そこで会話が止まり、土方さんが煙草に火をつけた。
土方「ふぅ…」
『...』
少しの間沈黙が流れる。
すると土方さんが私の顔を覗きこんだ。
土方「人の顔ジロジロ見るのが趣味なのか?」
『え...』
キョトンとする私を見て土方さんは少し笑う。
土方「最初に会ったときも俺の顔見てただろ」
あれ!?今そんなに見てた!?
『あ、えーと…美味しいんですか?それ』
咄嗟に土方さんの煙草を指差す。
すると土方さんが訝しげに眉をひそめた。
土方「吸いてぇのか?」
『や、そうじゃないんですけど…いっつも吸ってるから…そんなに美味しいのかなって』
土方「…」
土方さんは煙草と私の顔を交互に見ると
土方「…フッ」
ニヤリと笑った。
土方「そんなに気になるなら自分で確かめりゃいい」
『は…?』
その瞬間、
少し苦い煙草の香りが私の意識を掠め取った。
『!?』
気づいた時にはその香りは私から離れ、残ったのは一瞬だけ触れた唇の温もりと
――――
土方「どうだった?」
不敵な笑みだった。