第9章 AかBかと聞かれたらCを取れ
『神楽ちゃん!?』
思わず抱きとめると、神楽ちゃんは嗚咽混じりに事情を説明しようとする。
神楽「うぇっぐ...ひっぐ...天パ、と...メガネ...が.........チクショウこの野郎ォォォ!」
え、何...
泣いてんの?怒ってんの?
『神楽ちゃん落ち着いて!取り敢えず鼻水拭こう 』
神楽「うん...」
ブーーーッ
ティッシュを手渡すと神楽ちゃんは落ち着きを取り戻した。
『それで神楽ちゃん。銀さんと新八君に何かされたの?』
神楽「あのクソ野郎共、私のこと見て3点って言ったアル...折角可愛い浴衣選んだのに意味なかったヨ...」
さっきまで大暴れしていたのが嘘のようにシュンとする神楽ちゃん。
とりあえず、何で二人がそんなこと言ったのかよく分からないけど二人が最低なことは分かった。
『神楽ちゃん』
部屋の隅で小さくなって座る神楽ちゃんの背中に手を置いて微笑む。
『私が可愛くしてあげる。だからもう泣かないで?二人のことギャフンと言わせてやろうか!ついでにその後…血祭りしようね』
神楽「うんっ!」
花が咲いたように笑う神楽ちゃん
こんなに可愛いのに...ホント最低だな血祭りにしてくれるわ
お登勢「お待ちよ」
『え...?』
喧嘩に備えて指の関節をボキボキと鳴らしているとお登勢さんがそれを止めた。
『何でですかお登勢さん!女の子に向かって酷いこと言ったんですよ!』
神楽「そーアル!一発ジャーマンスープレックスかましてやらないと私の煮えくり返った腸は収まらないネ!」
優しいお登勢さんのまさかの行動に大ブーイングの私達。
そんな私達を見てお登勢さんが笑った。
お登勢「アンタ達、折角あたしが着付してやったのに大暴れして台無しにする気かい?」
『「...」』
お登勢「あたしゃ今からゴキブリ退治してくるからね。アンタ達は大人しくここにいな」
『お登勢さん…!』
神楽「ババア…!」
ババアて…
お登勢さんは身体中の関節を鳴らしながら店を出て行った。
『さっ、神楽ちゃん。鏡台の前に座って』
神楽「うん!」
それから私は、何処からともなく聞こえてくる悲鳴を聞きながら、神楽ちゃんの柔らかい髪の毛に櫛を入れるのだった