第6章 人のものってなんだか魅力的
銀時「やあやあ、総一朗君」
近寄ってきた総悟に銀さんが片手をあげて挨拶する。
沖田「旦那、総悟でさァ」
総悟も片手をあげてそれに応える。
どうやらまだ私がいることには気づいてないらしい。
銀さんの鍛え上げられた広い背中に収まるかたちで隠れている。
これなら…これなら何とか乗り切れるかもしれない…!
そう思った矢先
沖田「あれ旦那、今日さくらは一緒じゃねぇんですかィ?」
何!?
まさかの展開に心臓がドクりと大きく跳ねる。
銀時「あ?さくら?さくらなら此処に…いでっ」
こちらを振り向こうとする銀さんの背中を慌てて抓るが時すでに遅し…
沖田「あ、なんでィいたのかさくら。隠れてねェで出てきなせェ」
ひょっこりと顔をのぞかせた総悟に腕を掴まれ、引っ張りだされてしまう。
『…』
銀時「何だお前、総悟君とかくれんぼしてたのか?」
沖田「旦那、総一朗でさァ…あ、間違った。ところで旦那、かくれんぼって何のことで?」
銀時「コイツが総一朗君のこと見た瞬間…いでぇっ!」
またヘラヘラと喋る銀さんの脇腹を抓る。
何で言っちゃうのこの鈍感!察しろよ!
その様子を見ていた総悟がニヤリと笑って私の耳元に唇を寄せた
沖田「昨日のこと…気にしてんのか?」
『…っ』
囁くような甘い声にビクリと体が反応する。
銀時「オイオイ何だ?昨日?」
ただ一人、状況がわかっていない銀さんだけがポカンと立ち尽くしていた。