第25章 川立ちは川で果てる
屯所を出て数十分。
私は真選組のパトカーに揺られ、万事屋に辿り着いた。
『送ってくれてありがとうございます』
隊士1「おう、気をつけてな、さくらさん」
送ってくれた隊士の方に手を振る。
運転席の窓が閉まり、来た道をパトカーが走り去っていった。
『ふー…』
見慣れたスナックお登勢の暖簾。
階段を登り、2階に向かう。
なんだろ、緊張してきた…
「今日はさくらのおかえりパーティーアル!」
神楽ちゃんのまぶしい笑顔を思い出す。
なんか緊張する、どうしよ…
どんな顔してただいまって言えばいいんだ…
『…よし』
戸にかけた手を堅く握りしめる。
『ジュース買ってこよう』
迷惑かけといてお祝いされるだけなんて無いよね!
お菓子とかジュースとかなんかそういうやつ、欲しいよね!!
『ひ〜〜〜!』
急いで階段を駆け降りる。
心の中のハ○ジが私を「さくらのバカ!何よ意気地なし!」と罵ってる気がする。
けどそんなの関係ない。
ハイ○が「あたしもうしらない!」と走り去っていった気がする。
『そんなの、私だってもうしらないわ!』
私は大急ぎで近くのコンビニに逃げ込んだ。