第22章 邂逅
『うわぁぁぁ…!』
号哭する声が教会内に響き渡った。
止めようにも、もう止め方が分からない。
『ごめん、ごめんね…恨んでるんじゃないかって、みんな、弟達も、先生も…怖くて、逃げてた…っ』
ぐちゃぐちゃの感情が堰を切って流れ出す。
『助けたかった…っ、守りたかった…でも、守れなくて…』
想いが言葉にならず、ただただ流れ続ける涙と嗚咽に肩が揺れる。
『ごめんね…』
翔太「姉ちゃん」
翔太の手が背中を優しくさする。
翔太「守ってもらうばっかりだったよな…ごめんな」
『そんなことない…!私は、みんながいたから…っ』
翔太「なぁ、」
覗き込むように見つめる翔太の瞳には、
子どものように泣きじゃくる私がいた。
翔太「姉ちゃん、幸せになっていいんだよ」
ドクンと心臓が跳ねる音がした。
翔太「俺たち、今も一生懸命生きてるよ。でも姉ちゃんが幸せじゃないなら俺たちは…先生は幸せじゃないんだよ」
『翔太…?』
目を閉じて大きく息を吸う。
翔太の手は震えていた。
翔太「姉ちゃんが幸せになって責めるやつなんてこの世界のどこにもいねぇ!」
翔太の声が教会に響き渡り、空気が震えた。
翔太「そんな奴がいたら俺たちがぶっ飛ばす!今度は俺たちが姉ちゃんを守る!だから…」
大きくなった私の弟は、見慣れた人懐こい顔で微笑んだ。
翔太「な?幸せになってくれよ」