第22章 邂逅
翔太「姉ちゃん、先生の最後の言葉、知らねぇだろ」
知らない…
私は先生の最後の瞬間を遠くから見つめることしかできなかった。
翔太「先生最後まで、俺らの心配してたんだぜ」
頬を伝った涙を手の甲でぐいっと拭い、呆れ顔で言った。
翔太「さくらは無事か、誰も痛い思いはしていないかって。自分は撃たれて今にも死にそうだってのに。姉ちゃんもみんな無事だよ、アイツらは逃げてったよって言ったら、そうかって…」
拭っても拭っても、翔太の頬は濡れ続けていた。
震える唇を無理矢理制して笑う。
翔太「「生きて、幸せになりなさい。私は今、とっても幸せですよ」」
『…っ』
翔太の笑顔が、何度も思い焦がれた、大好きだった先生の笑顔と重なった。
翔太「先生の最後の言葉だよ」