第4章 坂田家の食卓
『だから言ってんだろ違うって!まだ名乗ってすらいないっての!』
唖然とする銀さんに今まで溜め込んでいたイライラをぶつける。
銀時「え、じゃあ妹とか?」
『結野家とは縁もゆかりも無いわ!クリステルでもクリスでもないの!私は小鳥遊さくら!』
銀時「そんな…」
一気に力の抜けた銀さんはヨロヨロとソファーへ寄りかかる。
そしてそのまま人差し指を立て、
銀時「はぁー…」
鼻へ差し込んだ。
『…社長?さっきと接客態度に差があるような気がしますが?』
銀時「あー…うん、結野アナじゃないならどうでもいいわ。やる気なくした。おい神楽、テレビつけろー」
そのまま寝転がってテレビを見つめる銀さん。
『あーそう。そっちがそうならこっちもこうよ。総悟』
沖田「へい」
バゴォォン
総悟から受け取ったバズーカでテレビを根こそぎぶっ飛ばした。
銀時「オィィィィ!」
よし、これで邪魔するものは無くなった。
銀時「いやいやお前これ…これどうすんのお前ぇぇ!」
いい感じに慌てふためく銀さん。
今がチャンス。
『社長、提案があります』
銀時「いや、提案の前にテレビどーすんだオイ」
粉々になったテレビをかき集めながら銀さんが聞いた。
『私の依頼を聞いてくれたら、テレビの修理代と依頼料。まとめて私が払うってことでどうでしょう?』
銀時「いやそれお前!それはお前が払って然るべき金だからな!そんなこと言ってっけど払えんのか?うちは前払いだぞ」
ちゃっかり今更な設定を付け足した銀さん。
まあそれでもいいだろう。
『これでも足りない?』
私は、ポケットから財布を取出すと中身をすべて出して机の上に置いた。
銀時「お、お前…」
積み重なった諭吉に、その場にいた全員は驚きを隠せない。
趣味の少ない公務員舐めんな。
『これで聞いてくれるよね?』
私はニヤリと笑うと、有無をいわさずにこれまでの経緯を話した。