第21章 落とし物
『ありがとうございました…』
うなだれながら部屋を出る。
やっちまった…
全く何答えたか覚えてない…
なんか自分がニートって思うと後がないような気がして焦るんだよなぁ。
まぁ後は無いに等しいんですが。
何?私人と会話するの1世紀ぶりなの?
きょどりすぎでは?
「後日結果をお知らせ致しますので、今日はお帰りいただいて結構です」
『あ、はい』
バイトの子、こんな言葉遣いできたんだなぁ…と思いながらコンビニの自動ドアを出る。
『実質一か月もニートなんだからそろそろ仕事決めないとヤバいのに…』
心ここにあらずにも程がある。
このままだと貯めてたお金も底を尽きて毎食たまごかけご飯に…
『…帰ろ』
家に向かって急ぎ足で帰る。
目前には私の住むアパート。
さっさと帰ってパソコンで求人情報漁ろう。
鞄を肩にかけ直し、勇み足で家に向かった。