第20章 選択肢は少なすぎても多すぎても困るもの
沖田「旦那、おはようごぜェます」
銀時「あ、おはよう総一朗君…じゃねぇだろォォォ!」
ガシャーン!
イケメン風を吹かせながら近づいてきた総一朗君の足を引っ掴んで投げっぱなしジャーマンをキメる。
銀時「寝起きの割には及第点っと…」
凝り固まった肩を回しながら立ち上がると、ぶっ飛ばされた総一朗君がムクリと起き上がった。
沖田「酷ェや旦那。旦那が皆の輪に入れないようなことがあっちゃー困ると思って親切心で起こしてやったってのに投げ飛ばすなんざ…」
銀時「さっきのが親切心?親切心って何それどんな感じ?人の鼻にいい具合に焼けたネギ突っ込むのが親切心?ねぇ」
沖田「寝起きにいい香りを嗅ぐと目覚めがいいって聞いたことがあったと思ったんですけどねィ」
銀時「ネギ直に突っ込んだらいい香りじゃねぇの!刺激臭なの!ったく…ふぁーあ」
常識知らずのドSキングに灸を据えあくびをすると、鼻孔をくすぐったのは肉の焼けたいい匂い。
そうそう、こういうの良い匂いってんだよって…
ん?
まだ眠い目を擦って辺りを見回し、状況整理。
まず今俺がいる所は、家から一番近い河原の土手。
肉の匂いをたどって少し下を見ると川沿いには沢山の人がいる。
新八、神楽、源外のジジイにババア、キャサリン、たま…それから…真選組?
他にも知った顔がわんさかいた。
銀時「どうなってんだ…パーリーか?」
悶々としていると草を踏み分ける音が近づいて来る。
『銀さんおはよ。はいこれ。銀さんの分』
近づいて来たさくらはニコニコと笑いながら肉の乗った紙皿を差し出した。
銀時「…さくら、今日って誰かの…誕生日?」