第20章 選択肢は少なすぎても多すぎても困るもの
〜銀時side〜
遠くから聞こえる声に釣り上げられる様な感覚。
周りでガヤガヤと騒ぎ立てる声。
ゆっくりと目が覚め始めているのが分かる。
んだよ、うるっせーな…こっちはいい気分で熟睡してんだから静かにしろってんだよ…
(アレ、銀ちゃんまだ寝てるアルか)
(寝てるっていうか神楽ちゃんが殺ったんでしょうが…)
聞こえるのは聞きなれた声。
(違うヨ!銀ちゃんはアレくらいで死ぬような男じゃないアル!ねえ銀ちゃん!ねえ!証明してヨ!)
それと共に頬に感じる激烈な痛み。
あだっ!あだっ!だぁから何だってんだよ!
(ほら!銀ちゃんはそんなもんじゃないアル!)
薄く目を開けて様子を伺うと、目の前には俺の顔をのぞき込む神楽の顔。
銀時「…うるせーよ…まだ外真っ暗じゃねーか。俺を起こすのは結野アナのニュースが始まる1分前にしろって言ってんだろーが…」
ったく…なんべんも同じこと言わすんじゃねぇよ。
さて、二度寝だ二度寝。
もう一度目を瞑り体をよじる。
沖田「チャイナ、下がってよく見てな。旦那は肝が太い男の中の男。そんなもんじゃ起きねぇよ」
…?なんだ、総一郎君の声がする。
沖田「旦那ァ、総悟でさァ」
ズクッ
銀時「ズァォァァァァォァァ!!」
鈍い音と共に感じる強烈な痛みとそれに伴う激臭に耐えきれずに体を起こし、両方の鼻穴に突き刺さった異物を勢い良く引っこ抜く。
銀時「ネギ!?」