第20章 選択肢は少なすぎても多すぎても困るもの
〜さくらside〜
『たっだいま〜…え、何』
上機嫌で玄関の戸を開けると、そこに御座すのは顔面が般若と化した天パ様。
銀時「…お前ェ」
マズイ。これはマズイぞ。
何に怒ってるんだか分かんないけどガチ切れしてんのだけは分かった。
その時、天から慈愛の光が降り注ぎ――――
新八「あれ、銀さん?」
メシアが現れた。
『メシア!財布持ってどこ行くの?』
ナァァイスタイミング!
もう知らない。なんか顔引きつってるけど知らない。だって怖いもの。
新八「…メシア?」
『ああ!なんでもないよ!ただいま」
新八「お帰りなさいさくらさん。そうだ、さっき冷蔵庫見たら中身調味料しかないんですよ。だから買いに行こうと思ってて…」
『あ、やっぱり?大丈夫だよ!そうだと思ったからもう今晩の分は買ってきた!』
銀時「オイ…」
『あああ!でも今日の晩ご飯の準備は皆に手伝って欲しいなァァァァァ!なぜなら今夜はお登勢さん達も呼んでバーベキューだからァァァァァ!』
新八「!?…何ですか突然デカい声出して…分かりました。じゃあお登勢さん達も呼んできますね」
銀時「オイって言ってんd…」
神楽「バーベキュー!?バーベキューって聞こえたアル!」
『ありがとう新八君!じゃあ神楽ちゃん!ここにいる天パ野郎も連れて行って!さぁ!さぁ!!』
神楽「了解ヨ〜」
銀時「あ?!ちょっと待てオイ!俺はアイツに話が…イダダダダダ腕もげる!もげるって!引っ張んな!神楽!」
神楽「もー、銀ちゃんいちいちうるさいアル!いい歳なんだから言うこと聞いてヨ!ふぬっ!」
ドムッ
銀時「ぐぁ…!」
神楽ちゃんから放たれたボディーブローは見事銀さんにクリーンヒット。
天パ野郎は天に召された。
神楽「まったく…手のかかる天パアル」
そのままズルズルと引きずられて行く銀さんを尻目に軽くため息をつく。
『ふぅ…これで一先ず天パ般若は解決かな。あとは…』
私は、誰も居なくなった静かな廊下を進み、自室の襖を開けた。