第16章 火傷
『ふー…よし』
殺人兵器となり果てた唐揚げを泣く泣く三角コーナーに投げ込み、少し時間はかかったが何とか人数分を作り直した。
ちょっと味見したけどあれは駄目だ。
お妙ちゃんの卵焼きをも凌駕するんじゃ…
あ、でも食べて死なないってことはまだ大丈夫かな?
『皆さーん、ご飯にしますよー…?』
盛り付けた唐揚げをお盆に乗せて居間へ持って行く。
珍しく静かな2人の様子に顔を上げると
『あれまぁ…』
銀さんと神楽ちゃんが互いにもたれ掛かるようにして眠っていた。
『ふふ…仲良しだこと』
無防備で可愛らしい寝顔に思わず笑みがこぼれる。
『…気持ちよさそうに寝るのね』
神楽ちゃんの顔にかかった柔らかい髪の毛を指で梳かす。
あと3日…。
いや、今日ももうすぐ終わる。
あと2日だ。
神楽「ん…」
神楽ちゃんはくすぐったそうに身じろくと、再びスースーと寝息を立て始めた。
『…』
ずっとこんな日が続けばいいのに
ここで過ごす毎日はすべてが新鮮で暖かい
微睡みの中のように居心地が良くて
少し気を抜くと目を瞑ってしまいそうになる
いっそこの2人の隣で一緒に眠ってしまいたい
きっと幸せな夢が見れる